コロナ禍でのパパ活は路上での直接交渉も活発なようです。
日本全国に衝撃を与えた“池袋82歳男性殺害事件”
既報でご存知のようにパパ活によって起きた事件です。
●パパ活をしていた…
事件は2022年1月21日夜に起きました。
東京・池袋のホテルの一室で82歳の男性が殺害されたのです。
犯人は住所不定、職業不詳の藤井遥容疑者(24)で翌日に殺人容疑で逮捕されました。
犯行に使われたのはカッターナイフ…。
細い刃先のカッターナイフで人が殺せるのか…という疑問があります。
死因は失血死という報道もあり、被害者の年齢を考えると十分ありえるそうです。
年齢差も含めて日本全国に衝撃を与えたこの事件。
藤井容疑者は“パパ活をしていた”ということです。
ここで改めて“パパ活”がおおいに注目されました。
この事件についてはすでに多くの報道がされています。
殺人事件ということで、注目されるのが「殺意の有無」と「被害者と容疑者の関係」です。
これまでの警察の調べによると、藤井容疑者は1月21日午後8時頃、池袋駅近くのホテルの部屋に82歳男性と入室しました。
そして、男性の太ももや胸をカッターナイフで刺して殺害した疑いがもたれているのです。
藤井容疑者に対しての聞き取りでは「カッとなって刺した」として、容疑を認めているということです。
さらに男性の財布からは現金がなくなっていて、警察は強盗殺人事件として捜査を開始しました。
事件は急展開を見せます。
殺害した翌22日朝、警察は藤井容疑者の身柄をJR西八王子駅近くで確保したのです。
●共犯者がいることが判明
藤井容疑者の逃亡を手助けした共犯がいます。
藤井容疑者と一緒にいた男性2人も逮捕されているのです。
一人は、元交際相手とされる小林優介容疑者(29)。
そしてもう一人は、弟の小林翔太容疑者(25)です。
二人は犯人隠避の疑いで逮捕されました。
藤井容疑者の犯行後、すぐに3人は落ち合っています。
そして、新宿・歌舞伎町のネットカフェに泊まっているのです。
犯行翌朝、小林兄弟の地元で土地勘のある八王子に移動することに…。
藤井容疑者の供述では「遠くまで逃げようと話し合った」と警察に話しています。
事件の特異性はなんといっても、被害者が82歳という高齢の男性だったこと。
その相手に24歳という若い女性“パパ活”をしていたということです。
まず、その年齢差に世間は驚きます。
さらに、藤井容疑者の知人男性が介在していることで、パパ活の闇の部分が浮き彫りになります。
この男性2人と藤井容疑者の間にお金のやりとりもあったそうです。
このことから、3人は共犯関係にあったのは間違いないでしょう。
●泳がせて八王子で逮捕
犯行後、3人は歌舞伎町に移動していますが、再び池袋に戻っています。
そこで、事件現場であるホテル周辺の重々しい様子を目の当たりにすることになります。
再び歌舞伎町に引き返してカラオケをしてネットカフェに泊まっています。
犯人は犯行後現場に戻ると言われています。
自分が起こした犯行について警察がどう動いているか心配になるのが犯人心理なのでしょう。
現場である池袋駅北口のラブホテル街はどこにでも防犯カメラがある場所でもあります。
藤井容疑者と82歳男性のホテル入室前の様子も防犯カメラにしっかり記録されていました。
その映像が、事件後全国報道されています。
そのため、事件直後の早い段階で事件の全容が分かっていたようです。
発端は藤井容疑者の通報からということになりますが、すでに3人の足取りは警察の手の中にあったといっていいでしょう。
犯行前に、藤井容疑者と小林兄弟が接触していたこともわかっています。
ホテルから女性が出て、その後で男性と合流。
さらに歌舞伎町に行った足取りなども警察は把握していたことでしょう。
それは、西八王子駅ですぐに捜査員5、6人に囲まれたということからもわかります。
疑問が残るのは歌舞伎町ではなく、八王子で逮捕したことです。
これについては、タイミング的なことと、さらに他に共犯者がいないかなどもマークしていたということだと思います。
●助けたい気持ちもあった?
藤井容疑者は日頃からカッターナイフを持ち歩いていた事実は日常的に“パパ活”を行っていたことを裏付けています。
言うなれば“護身用”ということになります。
このことが“パパ活”にはリスクがあるということを物語っているとも言えるでしょう。
見も知らない異性と個室に入るということ。
女性としては護身用的なものを持っていたとしても不思議はないのかもしれません。
最初から殺害目的であるとすれば、カッターナイフは選択肢としては弱いのです。
多くの人も“凶器がカッターナイフ?” と思ったことでしょう。
通常であれば包丁とかナイフを使うのがセオリー。
犯行後、藤井容疑者は公衆電話から他人を装って110番通報しています。
このことを考えても、殺害といった計画性はなく、当然ですが殺害目的ということでもなかったのでしょう。
藤井容疑者も言っているように、突発的なトラブルであったのは間違いありません。
パパ活でお金をもらう約束があったうえでの、現金授受のトラブルということです。
カッターナイフであっても、太ももの太い血管を刺してしまうと、そこから大量の出血が起こり、失血死に繋がる事例は数多く報告されています。
唯一、藤井容疑者を擁護するところがあるとすれば、ホテルを出てから助けたいという気持ちから110番通報をして早期発見を促していることです。
●“パパ活”が一気に注目された
今回の事件で、「パパ活」という言葉が全国的にも注目されることになりました。
「パパ活」とは、一般的に若い女性が経済的に余裕のある男性と時間を共に過ごすことで金銭を得る活動を指します。
新しい言葉ではありますが、すでに2017年にはネット配信ドラマ「パパ活」が話題となっていました。
SNSなどで知り合うことが多かったパパ活ですが、最近ではSNSでは証拠が残るので、路上で直接声かけするパパ活が増えているそうです。
SNSだと、男性から何度も連絡が来るのが嫌だという女性も少なくありません。
一度きりの“パパ活”であるならば、場合によっては“売春”と何ら違いはないのかもしれません。
コロナ禍の中で、直接交渉が増えているということですが、パパ活の名を借りた“援助交際”あるいは“売春”ということをしっかり頭に入れておいたほうがいいでしょう。
“パパ活”というと何かオブラートに包んだ言い回しになりますが、すでに“売春”あるいは“売春予備軍”という言い方が正しいのでは、という風潮になっているようです。
また、今回の事件では容疑者の女性に共犯の男性がいたように、パパ活の背後に第三者がいるかもしれないということをしっかり頭にいれておくべきでしょう。